ビジネスコラム

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DX推進による業務プロセス改善!失敗要因から見える成功ポイントとは?

日本でも急速に導入が進むDX(デジタル・トランスフォーメーション)。DX推進の第一歩として、業務プロセスの改善に取り組む企業が増えています。ある調査でDXの内容を聞いたところ、最も多い回答は「業務プロセスや業務システムの変革」。約6割もの日本企業がDXで業務プロセス改善に取り組み始めています(※1)。 しかしDXの難易度は高く、2019年の時点で「世界で95%のDXプロジェクトは失敗している」というデータもあります(※2)。また日本特有の課題もあります。日本で部門間を横断したDXに取り組む企業は、わずか8%(※3)。全社でDXを推進し、業務プロセスを改善するのはかなり難しいことがうかがえます。 成功するにはまず業務プロセスの意味や改善手順について正しい理解が必要。その上で失敗事例から要因を分析して、成功につながるポイントや方法をチェックしましょう。 [toc]

1.業務プロセスの改善とは?定義とメリット

1)業務プロセス改善の定義

業務プロセスとは、業務と業務のつながりや流れのこと。仕事そのものではなく、進める手順や流れと考えましょう。業務プロセスに問題があれば、同じ方法でも作業効率は大幅に下がってしまいます。業務プロセスは、線路や駅で例えるとわかりやすいでしょう。業務や作業は「駅」、業務プロセスのフローは「線路」にあたります。業務プロセスで流れる仕事が「電車」となるわけです。 また、業務改善とは業務を進める順番やフローを整理して効率化すること。つまり線路(業務)を整備して電車(仕事)の遅延を防止でき、さらに多くの顧客を乗せて運行できるようになるわけです。業務改善では、まずフローの中に潜む問題を明確にする作業が必要です。つまり「業務プロセスの可視化」というタスクも必須です。

2)業務プロセス改善のメリット

業務プロセスを可視化した上で業務改善することは、企業の経営にさまざまな効果が期待できます。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。 業務プロセス改善のメリット_みらいワークス

①作業効率化・生産性向上

業務プロセスの問題(ボトルネック)を可視化すれば、どんな作業に無駄な時間やコストがかかっているかがわかります。例えば顧客からの受注をFAXで受けている場合「担当が出社しなければ対応できない」「書き写し作業でミスが発生しやすい」といった問題があります。 これをチャットツールに移行すれば遠隔作業ができ、同時に複数の顧客に対応できるようになるわけです。また無駄を省いて生産性が上がれば、社員の残業時間削減といった効果にもつながります。

②サービスや品質の向上

業務プロセスを社内で統一してマニュアルなどの資料で共有できれば、作業ミスの発生が減り品質が向上するメリットがあります。また例えば優秀な社員が実践している手順やフローをもとに資料を作成すれば、さらなる品質向上が期待できます。 また社員ごとに手順がバラバラでは、新たなツールやシステムの導入は難しく生産性は上がりません。品質向上効果を目指すなら、まず業務改善に取り組むべきでしょう。

③リスクマネジメント

業務プロセスの問題を洗い出せばミスが発生しやすいポイントが見えてきます。つまり作業のリスクが明確になるわけです。 また業務プロセスで大きな課題のひとつが、属人化。業務の方法が属人化してしまうと、担当者の不在時や退職時に大きなリスクがあります。業務プロセスを可視化することで属人化を防ぎ、リスクマネジメントにつながる効果も期待できます。DXのプロ人材活用

2.日本企業がDXで業務プロセス改善に失敗する要因

スイスのビジネススクールIMDのマイケル・ウェイド教授は世界でDXプロジェクトの95%が失敗というデータを発表しました(※2)。また日本での調査結果ですが、部門を横断したDXに取り組む企業がわずか8%しかないというデータもあります(※3)。 DX推進が企業にとっていかに成功が難しい案件かということがよくわかります。なぜDXという方法は失敗しやすいのでしょうか?ここでは特に日本企業に多い5つの失敗要因をまとめました。 業務プロセス改善の失敗要因_みらいワークス  

1)経営者のDXに対する理解不足

特に日本で課題となっているのが、このDXへの理解不足。日本企業に行った調査によれば、管理職や役員の7割以上「DXとデジタル化の違いを説明できない」と回答しています(※4)。 経営層がDXを正確に理解していなければ、DXの意義や重要性を社内に周知できません。また経営側の理解がないため十分な予算がつかない、というのも失敗しやすい理由です。全社で取り組むには、リーダーである経営層がまずDXを理解することが必須です。

2)明確な目的を社内で共有できていない

DX推進そのものが目的ではありません。例えば「業務改善により品質や効率を上げ、競合より売上を伸ばす」「生産性を高めて社員の働き方を見直す」といった明確な目的が必要です。単にDXに取り組むことが目的になってしまうと、十分な効果は得られず評価もしづらくなります。求める効果を明確することで、実施後プロジェクトの分析・評価ができるようになります。

3)DX推進担当へ業務を丸投げしてしまう

経営者がDX推進担当に業務を一任してしまうことも課題です。業務プロセスはフローの中で、さまざまな組織が関わります。つまり品質や生産性を上げるには、多種多様な社内関係者の協力が欠かせません。しかしDX担当者といっても権限は限られているため、担当だけで社内をまとめるのは厳しいでしょう。「改善する必要性を感じない」といった反発が起こり失敗したケースもあります。

 4)社内にDX推進できる人材がいない

DX推進プロジェクトを統括する人材は、高度なスキルと経験が求められます。ITに関する知識だけではなく、柔軟にプロジェクトを進める適応力や問題解決能力、新しい技術を自社に活用する発想力や分析力も必要。これは従来のプロジェクトとは手順やフローが大きく異なるためです。 デル・テクノロジーズ社が2020年に行った調査によると、日本企業におけるDX成功の阻害要因で最も多いのが「予算とリソースの不足」。次いで「スキルとノウハウの不足」となっています(※5)。 「デジタルに詳しいから」という理由で、安易にDX担当者を決めてしまうのは問題です。これでは単なるデジタル化の作業で終わってしまいがちです。効率化だけではなく、業務プロセスの「改革」を実現できる人材が必要です。

5)自社に適するかどうか見極めず進めてしまう

DX推進といっても、現状の課題は企業ごとに全く違います。しかし実際には、「導入実績の多いツールをとりあえず導入しよう」という企業もあります。これでは施策や手順が自社に適さない可能性が高く、かえってミスが発生しやすくなることも。業務改善効果を上げるには、自社の抱える課題を理解した上で施策や手順を検討する必要があります。

3.DXで業務プロセス改善を成功させる5つのポイント

業務プロセス改善のポイント_みらいワークス  

1)経営層によるトップダウン

業務改善はシステム部門だけではなく、各部門との協働が基本。しかし従来の業務プロセスを大きく変えるとなると、当然反発もあります。しかしDX担当者だけで社内のコンセンサスとるのは難しいのが現状です。 ここで求められるのが経営層によるトップダウン。「DXによる業務プロセスの改善がなぜ必要か」「どんなビジョンで実現するか」を社内周知させるには、トップダウンが効果的です。経済産業省の調査によれば、DX銘柄指定企業は、指定されない企業と比べて以下の特徴があるそうです(※6)。

  • ・DXに関するビジョンや戦略が策定・公表されている
  • ・経営トップがDXに関する情報を集めている
  • ・DX推進のための役員を多く配置している

  【DX銘柄企業とは…】経済産業省と東京証券取引所が「DXに取り組み優れた実績を上げている」と選定した企業。

2)業務プロセスの課題を可視化する

DXには様々なツールや手法があるため、自社に合うものを選択できるかという点も成功のポイントと言えるでしょう。ここで必要なのが、業務プロセスを可視化して、現状の課題を分析することです。 自社の課題が見えなければ、自社に合うDXの方法や手順は探せません。現状分析がなければ、選択ミスの発生というリスクもあります。また可視化することで、経営層だけではなく社内やっ社外のステークホルダー(取引先や株主など)にも課題が明確になるメリットもあります。 DXで効果を出すためには、この課題を可視化する業務に時間とコストを充てることが重要です。

3)DX人材の確保

昔からのテクノロジーだけでは、改善効果は限定的。DXでは最新技術を検討・活用できるかも成功のポイントです。しかしここで課題となるのが、こうした最新技術を扱える人材が少ないという点。実際のところ「社内にDX推進できる人材がいないし、育成する時間もない」という企業が多いのではないでしょうか。 そこで求められるのが外部人材の活用です。経済産業省の調査でも、DX銘柄指定企業は自社だけではなく外部リソース(人材)を活用する傾向が見られます(※6)。日本ではDX関連の人材不足が問題となっていますが、一方で需要拡大に伴って選択肢は増えています。

4)現場へのフォローアップ

業務改善は現場で作業するメンバーまで落とし込めなければ、成功しません。しかし実際には、「システム部門と現場では、現状理解に差がある」「デジタル化に対応できない現場スタッフが多い」など、現場レベルで問題が起こりやすいのも事実です。 トップダウンで目的やビジョンを現場に周知させることも大切ですが、さらに踏み込んだ施策も検討すべき。例えば「現場を仕切るリーダーや管理職の意識改革を先行して進める」「ミス発生を減らすため、現場に特化した資料を作成するなどサポートを手厚くする」といったことが想定されます。 また外部人材に専門家の立場で現場とやりとりしてもらうのも、実は有効な方法です。社内だけで進めるより、むしろコミュニケーションがスムーズになったというケースもあります。

5)一過性のプロジェクトではなく継続して改善する

業務プロセスは、時代に合わせて変化していきます。つまりツールなどを導入すれば完結するわけではありません。その後も業務改善を継続できる流れが必要です。 継続に欠かせないタスクが、社内人材の育成。つまり外部リソースに頼り切ってしまうのは、人材育成にならない点で重大な問題があります。外部人材を選ぶ際にスキルや経験だけで判断せず、「資料作成や社内教育など、フォローアップも実施してもらえるか」という点も考慮して検討したいところです。

4.まとめ

ビジネスの変化スピードが速まる中、DXによる業務プロセスを改善して生産性向上を目指すことはあらゆる企業に必要です。とはいえDXという新たな方法を実施するには、さまざまなハードルもあります。また日本企業には全社を巻き込んだプロジェクト推進が苦手という事情もあり、容易ではありません。 成功率を高めるためにも、DXに特化した組織作成を考えたいところ。専門組織の立ち上げる上で解決すべき課題と言えば、やはり人材でしょう。例えば経営層がDXの理解度を向上させるには、専門家の存在が不可欠です。またDXに関するノウハウや経験を持つ人材がいなければ、プロジェクトはスムーズに進みません。社内だけではなく外部を含め幅広く人材を検討して、DXを推進できる組織を作成しましょう。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)DXのプロ人材

出典 ※1:企業のデジタルトランスフォーメーションに関する 実態調査 (2019年度版)(sansan) https://jp.sansan.com/news/report02/
※2:世界の95%の企業がDXに失敗、調査で判明した衝撃的な事実と7つの過ち(日経クロステック) https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/02994/
※3:日本企業の9割以上はDX進まず、「デジタル競争の敗者に」経産省が警鐘(日経クロステック) https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/09415/
※4:大企業の管理職、7割以上がDXとデジタル化の違いを「説明できない」(TECH+)
https://news.mynavi.jp/article/20210825-1955464/
※5:デル・テクノロジーズ、日本企業のデジタル トランスフォーメーション(DX)への取り組みの現状と課題を発表(Dellechnologies)
https://www.delltechnologies.com/ja-jp/blog/digitaltransformationindex_japan-2/
※6:デジタルトランスフォーメーション調査2021の分析(経済産業省) https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/dx-bunseki.pdf

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