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基幹システムとは? 業務システムやERPとの違い、リプレースのポイントもわかりやすく解説

基幹システムは、企業の経営を支える重要なものとして多くの企業で活用されています。しかし、導入してから長い年数が経過し、老朽化・ブラックボックス化が進んでいるシステムも少なくありません。「2025年の崖」問題も指摘されるなか、基幹システムのリプレースの必要性に直面する企業が増えています。 本記事では、基幹システムとは何か、業務システムやERP(統合基幹業務システム)との違い、基幹システムのリプレースを成功させるためのポイントなどを解説します。 [toc]

基幹システムとは

基幹システム_みらいワークス 企業には生産部門、販売部門、購買部門、経理・財務部門などさまざまな部門があり、企業が事業を展開するために必要な会計、生産、販売、在庫管理などの多様な業務を行っています。こうした業務は企業経営の「基幹」となる重要なものです。基幹システムとは、この基幹業務を適切に効率的に行えるよう、管理を支援するためのシステムです。 基幹システムが普及する以前は、基幹業務は帳簿などを使ったりExcelにデータを手入力するなどのかたちで、手作業で管理されていました。しかし、こうした管理手法は非効率的で、ミスにつながりやすいという面がありました。そして、万一管理に問題が生じることがあれば、事業運営ひいては企業経営に重大な影響を及ぼしてしまいます。 そこでIT技術を活用し、企業経営にとって重要な基幹業務の管理プロセスを正確に効率よく遂行できるようにしたのが、基幹システムです。基幹システムを運用し、ミスなく管理できることは、企業にとって損失回避につながります。加えて、貴重な人的リソースが非効率的な業務から解放されれば、その分ほかの仕事に着手することも可能になります。  

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基幹システムの主な機能

基幹システム_みらいワークス 基幹システムを構成する主な機能としては、以下のようなものがあります。基幹業務は業種によって異なるため、必要とされる機能は企業によって異なります。

(1)生産管理システム

製品などの生産に必要な材料の仕入れ、生産計画、生産工程、スケジュール、生産量、コストや品質など、生産管理を行う機能です。生産した製品は在庫となるため、在庫管理システムと連携することになります。 生産はただ行えばいいというものではなく、決められた納期に納品できるよう進める必要がありますし、原価管理や品質管理も不可欠です。過剰在庫を生まないようにするためには、需要の予測も欠かせません。こうした管理業務を効率よく高クオリティで実現するための機能が備わっています。

(2)在庫管理システム

生産した製品や仕入れた製品などについて、在庫の種類や数量を管理する機能です。製品の在庫は企業にとって重要な資産で、流動的なもの。不良在庫になったりキャッシュフローを悪化させたりすることのないよう、適切に管理する必要があります。 生産管理システムと在庫管理システムが連携することは先に述べたとおりですが、在庫は販売とも密接な関係があり、販売管理システムとも連携します。

(3)販売管理システム

見積もり、受注、納品、検収、売掛・売上、請求、入金確認など、販売に付随して発生する業務とその情報を統括して管理するための機能です。

(4)財務会計管理システム

お金のやりとりを管理したり、必要な帳票を作成したりする機能です。財務会計をシステムで統合管理することによってデータの蓄積・分析が可能になり、予算管理や将来の予測なども含めて多角的に分析することができるようになります。 自社の財務状況の可視化は、企業経営を健全に遂行するために欠かせない要素。財務会計システムは、そうしたところをサポートしてくれるものです。

(5)人事給与管理システム

従業員の採用から、在籍中の勤務状況や給与、退職まで、人材の人事と給与に関する情報を管理する機能です。企業にとって、人材も重要な経営資源の一つです。その人材について、人事情報と給与情報を統合的に管理し、適切な人材管理を実現できるようにするシステムです。  

基幹システムのメリット

基幹システム_みらいワークス   生産管理、在庫管理、販売管理、財務会計、人事給与管理などを行うことができる基幹システムの導入・運用には、次のようなメリットがあります。

(1)業務の効率化

紙の帳簿やExcelの手入力による管理と比べて業務が効率的になり、作業速度も高まります。業務の効率化は、コストの削減や労働時間の短縮につながるだけでなく、作業における人的ミスを減らすことにもつながり、業務品質の向上にも貢献します。

(2)業務の標準化

基幹システムを導入して管理業務を行えるようになると、誰でも同じクオリティで業務を遂行することが可能になり、業務の属人化を防ぐことができます。効率や業務品質が最適化されるような操作方法や作業手順に統一すれば、高いレベルのノウハウを共有できることになり、業務自体のレベルが高まります。

(3)データの可視化と迅速な意思決定

基幹システムを導入すると、企業の経営資源に関するデータがシステムに蓄積され、可視化・分析できるようになります。企業にとって重要な基幹業務のデータは、経営の状況を映し出すもの。それをリアルタイムで可視化できれば、より正確でスピーディーな意思決定が可能になるのです。  

業務システムやERPとの違い

基幹システム_みらいワークス 企業が導入・運用するさまざまなシステムの中で、「基幹システム」と混同しやすいのが「業務システム(情報系システム)」「ERP」です。これらには、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

(1)業務システム(情報系システム)と基幹システムの違い

業務システムも、企業経営・事業運営に関する諸業務を効率的に行うためのツールです。主要なものとしては、グループウェア、スケジュール管理ツール、文書管理システム、顧客管理システム、営業支援システムなどが挙げられますが明確な定義はなく、「情報系システム」と呼ばれることもあります。 基幹システムと業務システム(情報系システム)の一番大きな違いは、「システムの運用が止まった場合、企業が重大な被害を受けるかどうか」という点です。企業にとって重要な経営資源や業務を扱う基幹システムは、企業にとっては不可欠なもの。システムトラブルなどで運用が止まることがあれば、時には致命的ともなるような甚大な影響が生じます。 対して業務システム(情報系システム)は、システムの運用が止まることがあっても、そこまで重大な影響を直接的に及ぼすことはありません。もちろんトラブルの被害は生じることになりますが、業務システム(情報系システム)が機能しなくても企業の経営自体は継続可能です。

(2)ERPと基幹システムの違い

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」と訳されます。人・モノ・金・情報などの経営資源を統合的に管理し、有効活用することを目的として導入されるシステムがERPで、「統合基幹業務システム」「基幹系情報システム」などと呼ばれます。 経営資源を効率的に管理するという点では、ERPは基幹システムと近いといえます。実際ERPは、基幹システムや業務システムの機能を搭載しているシステムという見方もでき、幅広い業務データを一元管理できることから、基幹システムをERPへリプレースする企業もみられます。 ただ、業務範囲が広い分、システム導入の影響は多岐にわたり、準備作業は容易ではありません。場合によっては、ERPを導入するために業務プロセスを大幅に変更する必要が生じることもあります。  

従来の基幹システムの問題と「2025年の崖」

基幹システム_みらいワークス 長年にわたり活用されてきた基幹システムにも、近年重大な問題が迫りつつあります。それはシステムの老朽化が引き起こす「2025年の崖」です。 ITシステムは、性能の向上やOSのバージョンアップ、セキュリティ上の危機に対応するため、バージョンアップを重ねながら使用します。しかし、OSのサポートが終了したり技術的な寿命の限界を迎えるとそれも難しくなり、最終的にはサポート終了を迎えることになります。 自社で開発したシステムの場合でも、採用されているテクノロジーが古くなっていくにつれ、そのシステムを扱えるエンジニアも少なくなっていきます。カスタマイズを重ねたことでシステムがブラックボックス化し、メンテナンスが難しくなることも。 このように老朽化・ブラックボックス化したシステムは「レガシーシステム」と呼ばれ、システムの維持費用をふくらませる“技術的負債”となるばかりでなく、システムトラブルやサイバーセキュリティなどの危険性を高める要因となってしまいます。 また、近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必要性が叫ばれていますが、レガシーシステムは新たなデジタル技術の活用や、市場環境の変化に適応する新たなビジネスの創出、変化する業務プロセスやビッグデータの活用などに対応しきれず、DX推進を妨げる存在にもなってしまうのです。 日本企業の多くでこの状態が続けば、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある(※1)と指摘されたことから「2025年の崖」と称されているこの問題は、基幹システムの運用に大きな選択を迫っています。  

基幹システムをリプレースする際のポイント

基幹システム_みらいワークス 老朽化した基幹システムを無理に“延命”させようとすれば、前述のようにシステム維持費用の増大やDX推進の妨げになり、データの有効活用もできず、企業の競争力低下を招きかねません。そこで多くの企業が、基幹システムのリプレース・再構築の必要性に直面しています。 とはいえ、「止めてはいけないシステム」といわれる基幹システムのリプレースには、注意すべきポイントがあります。ここからは、企業経営に大きく関わる基幹システムのリプレース・再構築を成功させるためのポイントについて解説します。

(1)目的を明確化する

企業にとって重要な存在となる基幹システムは、一旦導入・稼働させると容易に変更することができません。そして、システムの効果を最大化するためには、企業の課題解決に有効なシステムを選ぶ必要があります。 そこで、システムのリプレース・再構築プロセスの第一段階として、まずはリプレース・再構築の目的を明確にすることが大切です。何のために基幹システムを変更・導入するのか、自社にどのような課題がありそれをどう解決したいのかといったことを明確にしたうえで、最適なシステムを選定しましょう。

(2)クラウドの導入を検討する

近年の企業向けシステムはクラウド化が進んでいますが、基幹システムも例外ではありません。クラウド型の基幹システムはサーバーなどの設備を用意する必要がなく、オンプレミス型に比べて初期費用を抑えることができます。 かつてはクラウドサービスに「セキュリティ面で不安を感じる」という声も聞かれましたが、対策が施されたシステムならセキュリティレベルも高く、企業のBCP(事業継続計画)対策にもなります。カスタマイズ性が高いサービスが多い点も人気で、市場環境の変化にも柔軟に対応しやすいのもメリットです。 しかしながら、クラウドのサービスは従量課金制で、使用した分だけ費用がかかるという点が懸念材料となることも。自社の状況やニーズと、クラウドサービスのメリット・デメリットを踏まえ、検討する必要があります。

(3)ERPの導入を検討する

基幹システムと業務システムの機能を包括するEPRを導入するというのも、基幹システムのリプレースにおける選択肢の一つになります。ERPを導入することで、 ・これまで各部門で管理されていたデータを統合し、より高度に活用することが可能になる、 ・業務ごとにシステムが分断されることなく、業務を効率化できる ・社内の内部統制やガバナンスを強化できる といったメリットを見込むことができます。オンプレミスの大規模なERP製品となると初期費用も高額になりがちですが、昨今はクラウド型のERPもあり、中小企業でも導入を検討しやすくなっています。     企業の基幹となる業務を効率化する基幹システムは、今や企業経営に不可欠ともいえるものです。しかし、長期間活用されてきた基幹システムは、老朽化・ブラックボックス化という課題を生むようになりました。 市場環境の変化が激しい昨今、企業が変化に柔軟に対応して企業としての競争力を高めていくためには、基幹システムもさまざまな変化に対応できることが求められます。 「止めてはいけないシステム」といわれる基幹システムのリプレースには入念な準備が必要ですが、ポイントをおさえて基幹システムのリプレースを成功させることができれば、基幹業務が効率的になるだけでなく、デジタル技術への対応、新たなビジネスの創出、データの活用などを通じてDXの推進も可能になります。 基幹システムのリプレースは、企業の経営をより高度に支援するシステムを得るチャンスになるのです。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

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  (※1)DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(経済産業省) https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf

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